こんにちは。店長の佐藤です。
先日、神式でのご納骨をお手伝いして来ました。今回は宗教ごとのお墓の彫刻についてご紹介します。
仏教は唱名を刻むことが多いようです
私たち普通の生活をしている人間には、仏教上の修行をすることは容易ではありません。ただ、簡単に出来る修行として仏様の名前を唱える というものがあり、それを「唱名」といいます。
浄土系は「南無阿弥陀仏」
浄土系の「浄土宗」「浄土真宗」「時宗」の唱名は「南無阿弥陀仏」になり、これをお墓に刻むことも多いようです。また浄土系のお墓には「倶会一処(くえいっしょ)」と彫刻されているものも見かけます。これは「極楽でまた会いましょう」という意味です。
禅系は「南無釈迦無尼仏」
宮城で多い曹洞宗や臨済宗の禅系の唱名は「南無釈迦無尼仏(なむしゃかむにぶつ)」です。ただし私個人の感想ですが、禅系で唱名が彫刻されることは浄土系よりも少ないように思います。乱暴な分け方ですが、浄土系は助けてもらう宗派、禅系は自分でなんとかする宗派 という特徴が反映されているのかもしれません。
密教系や日蓮宗は?
密教系の「天台宗」は「南無阿弥陀仏」、「真言宗」は他の宗派と違い「南無大師遍照金剛」になります。日蓮宗は「南無妙法蓮華経」が唱名ですが、お墓には「妙法」と彫刻されることもあります。
神道の方は「〇〇家奥津城」「〇〇家奥都城」
神道の場合はお墓の形状にも特徴があり、最上部が四角錐になった「トキン型」です。そして彫刻では家名のあとに「オクツキ」をつけます。本来神道ではお墓はありません。便宜上お墓と呼んでいるのは神様を祀るために建てるものなので、「〇〇家の墓」と彫刻することはありません。
キリスト教では聖句
キリスト教徒の方のお墓では聖書から引用して彫刻することが多いようです。他の宗旨よりもキリスト教は死に対してあっさりしていて「死んでも天国でまた会える。むしろ神様ももとに行けてうらやましい。寂しいのは少しの間だけ」という考え方です。なので、故人に対してというよりも神様に対しての言葉を刻むことが多いようです。ちなみにキリスト教徒の方が文字以外に彫刻するものは、十字架、バラ、オリ-ブの木 が多いようです。
<まとめ>
迷ったら、ご住職様、宮司様、神父様にご相談してみることをお勧めします。ただし今のお墓は形式よりも気持ちを大切にする傾向があるので、「〇〇が本来の形で望ましいけれど、皆さんの気持ちで造っていいんですよ」と言われることが大半のようです。
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